ストーリー

生まれたその日は一人ではなかったのに、一体いつ独りになってしまったのだろう。

何でも貸してあげるよ。嘘ではないわ。だから黙って持って行くのだけは止めなさい。黙って持って行くのは泥棒よ

繰り返されるあの日。それを見つめるメイド。


お姉ちゃんは本棚の隅に置いておくだけ、遊んだりしない。可哀想。この子はエリー。私のお友達。(人形に)さあ、エリーお姉ちゃんにご挨拶して

定まらないあの日。それを見つめる執事。


私は人形。人形は誰かの想いを借りて動き、誰かの声を借りて話すものなのよ

チナがエリーと名付けたその人形が動き出す。ずっとサチの傍にいた人形は何でも知っている?

乱されるあの日。見失うチナ。


妹・チナの誕生日の前日、彼女が姉・サチの部屋から持ち出したのは本?人形?それともその両方?思い出そうとする立ちに違う”お話”の中に彼女は居る。


ロウソクの炎は君の闇を照らす。そこに浮かび上がるものが救いとは、希望とは限りません

危ないと執事が止めていたロウソクに火が灯った時、また別の”お話”…いや、現実がメイドの前で動き出す。

蘇るあの日。それを見つめるメイド。しかし、それさえも……


一つの連なったはずの記憶はちぎれ、散乱し、あべこべになったり、不明になったり……自分が誰かも、いくつかも、此処が何処かも、錯覚してしまう。

知っているあの日に、知らないあの日がある。それを知りたい。


心引き裂かれ、そして知る。無知と未知の果て ― 迷子の遊園地が平成最後の年に贈る人間物語。それは時代の遺言か?新時代への幻想か?自分の見えない風景の存在を知った時、新たな"誕生日"を迎える。


※静岡公演から台本を改定

登場人物

チナ…サチの妹

サチ…チナの姉

エリー…チナの人形

メイド…チナの世話をする者

執事…チナの世話をする者

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